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自動車を障害者仕様に改造した場合の改造費

交通事故により重度の後遺障害が残存した場合、被害者に日常生活上生ずる困難をできる限り少なくし、また介護をするご家族の負担をできるだけ少なくするために、元々居住していた自宅を障害者向け住宅のような構造に家屋を改築したり、家族が介護をしやすくするため介護用リフトを設置する場合があります。

また、病院への受診やリハビリのため車両を車椅子仕様にするために費用をかけて車両を改造する場合もあります。

住宅の改造費や車両の改造費の請求は認められるのでしょうか。

今回は自動車を障害者仕様に改造した場合に、その改造費が認められるかをお話しします。

 

この点、自動車の改造費も、家屋改造費と同様、裁判例において認められています。

但し、障害者仕様とするために標準の仕様と比べて高額となった金額を改造費用と考え、損害と認められることが多いです。

そして、車両は家屋と異なり、1度購入するだけでは済みません。車両は将来にわたって必要となり、適時、買い替える必要がでてきます。そこで将来分の損害の算定も必要となってきます。

この点、岡山地判平成17年8月16日判決は、7歳男子小学生の後遺障害(外傷性くも膜下出血、びまん性脳挫傷等、1級3号)の事案につき、将来の自動車購入費(250万円)として、移動や通院治療のための障害者用の車両について約8年間買い替えを要することを前提に、生存期間60年の間7回買い替えるものとして代金相当額合計672万8750円が認められた事案があります。

また、大阪地判平成23年10月5日判決は、28歳男性会社員の後遺障害(遷延性意識障害、四肢・体幹運動障害、1級1号)は、病院に1回受診し、週1回リハビリを受けており、交通手段とし、トヨタベルファイア・サイドアップシート購入代金(本体価格484万円)のうち、家族の便益も考慮し、150万円を損害として認めたうえ、10年毎に買い替えるものとして、合計354万6000円が認められた例があります。

さらに、名古屋地判平24.3.16は25歳男性ヘアサロン店長の後遺障害(遷延性意識障害、四肢運動障害等、1級1号)の事案について、在宅介護上の移動手段として介護仕様車両が必要であることを認め、介護仕様車両購入費521万4895円及び買い替え費用として、介護仕様車両と通常使用車両費用との差額107万1800円を基礎に、耐用年数6年毎に、22年の在宅介護期間中3回の買い替えを前提に107万1800円を認め、合計640万502円の介護車両費用が認められた例があります。

この記事を書いた人

弁護士法人TRUTH&TRUST

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