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高次脳機能障害①

高次脳機能障害とは、交通事故により頭部に強い衝撃をうけて脳の一部が損傷し、機能が低下した場合に発生する障害をいいます。頭部外傷により、意識障害を負った被害者の意識の回復後、認知障害や人格変化などが発生し、社会復帰が困難となることがあります。

このような高次脳機能障害の場合、身体的な機能については特段に支障はなく、身体的な介護をする必要はないものの、高次脳機能障害により人格変化が生じているため、日常生活の上でも見守り、声掛けをする必要があるとして、将来の付添看護費が認められることが多いです。

高次脳機能障害の後遺障害が発生した事案について、近時の裁判例(さいたま地判平成29年7月25日判決)をご紹介します。

この裁判例は、17歳男子の自転車運転中に自動車と衝突した事故について事案(びまん性軸索損傷、脳挫傷、高次脳機能障害、3級3号)について、日常生活動作はほぼ自立しているものの、その記憶力は低下し、判断能力、記憶力、注意力の低下していることや、幼稚化や易怒性等の人格変化により円滑な対人関係を維持する能力に欠けること、体幹等に失調症状が残存しているため単純作業すら行うことは困難であり、その労働能力は100%喪失したものとして、自賠責の判断と同様3級3号を裁判上認定しました。

また、症状固定前の入院付添費については、入院期間中は日額6500円の付添看護費を、退院後症状固定時までについては、日常生活動作は一応自立しているものの日常生活全般について母親らの見守りが必要であったと認められるとして、日額5000円の付添看護費が認められました。

さらに、症状固定後の付添看護費については、日常生活動作はほぼ自立したとしても一部介助が必要であるほか、高次脳機能障害を原因とする記憶力、判断力の低下と失調による身体の不安定性があるため、日常生活全般にわたり見守りや声掛けが必要であると認められるとして、母親が67歳になるまでの期間は母親による付添が可能であると認められ日額4000円の付添看護費を、それ以降については平均余命までの間、職業付添人による付添が必要である可能性が高いとして日額6000円の付添看護費が認められました。

そして、逸失利益については、被害者は高校3年生であり、理容師を目指して専門学校に進学する予定であったこと、将来的には男子労働者の高専短大卒の平均年収額程度の賃金収入を得る蓋然性があったとして、専門学校卒業後の20歳を就労の始期として、賃金センサス男子同学歴全年齢平均年収487万4900円を基礎収入として認定されました。

今後もこのような重要判例をご紹介していきたいと思います。

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三輪総合法律事務所

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