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物損についての慰謝料

法律相談などで「交通事故により「車」が壊れてしまった場合、修理費や代車料以外に、慰謝料の請求ができるの?」などという質問をよく受けます。

私の知り合いでも、クラシックカーを沢山保有している方がおり、我が子のように愛着を持っているので、そのような車両が相手方の一方的な過失により損傷ないし損壊してしまった場合は慰謝料が認められてもよいように思えます。

そこで、交通事故により車両が損壊した場合、慰謝料を請求することができるかをお話しします。

基本的には、「人」ではなく、「物」の損傷や損壊については、修理費などの財産的な請求ができるにとどまり、慰謝料の請求はできないのが原則です。

判例でも、身体の傷害に相当するような精神的苦痛を被ったものとは認められないなどとして、請求を認めないと判示するものがあります。判例は、「人」と「物」を明確に区別しているようです。

従って、車の修理費用(修理費用が車の評価額を超えるいわゆる全損となった場合はその車両価格)、代車を利用した際の代車費用、評価損などの請求は可能ですが、さらに車を壊されたことや失ったことに対する慰謝料の請求まではできません。

 

それでは、「物」は「物」でも、車両ではなく、ペットが交通事故にあったような場合はどうでしょうか。

ペットは車と同様「物」ですが、交通事故で死亡したり大けがを負った場合は、慰謝料を認める判例が見うけられます。例えば、名古屋高判20.9.3は、治療費だけでなく、事故により後肢麻痺、自力排便、排尿ができなくなった事案で、飼い主夫婦に各20万円の慰謝料を認めました。

これは家族の一員のように生活している場合が多く、また小さな命を持っているのであり、価格相当額を支払えばよいという問題ではないからでしょう。

以上により、ペットが交通事故にあった場合は、慰謝料が認められる可能性があります。

この記事を書いた人

弁護士法人TRUTH&TRUST

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